大地主に土地をもってかれたお話

こんにちはなまず大家ですです。

先日ですが、隣地を買おうとしてたら大地主にぶっこ抜かれました(笑)

隣地が欲しい

駅前に小さな土地を持っています。ボロ木造の平屋なんですが、テナントさんにずっとはいってもらっているので安心安定の物件です。

建物は木造築50年をそろそろむかえようとしているので、再来年くらいに建て替えを考えています。なにせ商業地域で容積400%フルに使える土地なので、もっと土地を広くして上に高い建物を建てたいと日夜妄想しています。

「土地を広くする」

となると作戦はただ一つ!「となりの地主さんから売ってもらう」これしかありません。数年前から、隣地のA・B・Cの地主様へのお歳暮配りやらお土産配りを始めてました。

AさんとBさんは大地主なので、私のような若造は相手にするきもないようで見下してきます。なので毎回たっぷり糖質の入った高級和菓子を送り付けて、グルコーススパイクを頻繁におこさせてワンチャンスないか頑張っています。

Cさんは、温厚なかたで、私の土地の裏側にありそこが袋地(接道のない、建て替えもできない使えない土地)なってます。しかも土地の形状から、この袋地を活用できるのは私だけ。

リサーチをかけましたが、Cさんの土地に隣接している地主達は特に興味がないようです。

Cさんへの猛烈アプローチをはじめました

再来年に建て替えを予定しているので、あまりぎりぎりになって購入すると買い叩かれる可能性があります。ということで、タイミング的には今しかないと考え何度かお酒の席に誘い色々情報とりをはじめました。

そこで分かった事

Cさんの土地の状況
①戸建てがあるが、すでにお母さまは老人ホームに入所されて使っていないとのこと

②本人も使うつもりがない

③老人ホームが仮入所の状況で、ひとまとまりの現金をほしがっている

これはもうだれかに買って欲しい状況です!酒の席では、年齢も年齢なので、若造が先輩の武勇伝を太鼓を叩きながら勉強させてもらうスタイルを一貫します。お酒一滴も飲めませんが、元商社マンのキャリアが発揮されCさんも大変満足そうです。

それに加えて以下の点に注意してアプローチしました

Cさんへのアプローチ方法
①地元が大事、土地で地元に貢献したいアピール

②地主同志のつながりが大事アピール。不動産屋がはいると厄介なことにしかならないと焚きつける

③地主には土地に足してそれぞれ「思い」があり、その思いを継いでくれる人にゆずるべきだ的な感じを醸し出す

この弛まぬ努力の賜物により、3回目の飲みの席で是非土地をかってもらいたいと言ってもらいました!しかもがっちり握手です(*‘∀‘)

金額のネゴ

袋地の値付けは難しくて、なかなか相場っていうものがありません。一般相場の10分の1くらいだって言うひともいれば、スズメの涙でいいんだよっていうひともいます。

この袋地を使えるのはわたしだけしかいないので、状況としては圧倒的有利です。しかし不動産の基本は「相対取引」。先方の地主が良いと思えば1000円でもOK、逆に1憶つんでも機嫌を損ねれば「嫌だ!」って言われる可能性があります。

私的には500万~700万のラインで想定しておりました。が、先方からでた数字は1500万・・・・。

あれ、そういえばどこかで聞いたことある数字だな?とおもったら、共通の知り合いの不動産仲介がいて、そこに契約をお願いしようという話になってました。そこの社長が「ザ・ブローカー」で(笑)癖がつよいんです。

たしかそのブローカー社長とおしゃべりしてたとき、「1500万くらいわたしとけばー?」とか言ってました。

そうです、このおしゃべりブローカーがCさんに1500万くらいの価値あるんじゃないですかねーって吹き込んでるんですね。

なぜこんな事をするかというと、仲介業って代金の3%とかって宅建業法できまってて物件の金額が高ければ高いほどもうかるんです。しかも仲介業務の煩雑さ的には1憶の物件だろうが数百万の物件だろうが手間はあまり変わりません。これが不動産業界に闇がある大きな理由なんですが、これについてはまた別記事で。

Cさんは1500万の価値はあるって聞いちゃたもんだから、最低1500万からだ!みたいなテンションでした。ここが相対取引の難しい所ですね。

価格交渉のアプローチ
①資金繰りが苦しく、銀行がそんなに貸してくれないと嘘をつく

②誠心誠意やってるけど1000万なんてとても無理とアピール

③ブローカー社長にあって、内々にちょっともうギブアップしたのでまた機会あったらよろしくお願いしますと正式挨拶(嘘)

③が功を奏してか、Cさんの対応が急に軟化しました。予想通りブローカー社長がCさんを説得に動いてくれたようです(笑)

結局、1000万で折り合いつきがっちり握手で別れました。

契約締結

手付金の100万を支払って、土地売買契約を済ませました。「もうここまでくれば安心」とCさんの太鼓持ちしていた日々をかみしめながら感傷にひたっていました。

ところが、ブローカー社長より電話がはいります

「まずいですよ、Cさんの裏の超大地主のDさんが1700万で買うっていって、Cさんに直接話もってってるらしいんですよ」

Dさんは元ヤクザあがりの地元でも有名な大地主で、キャッシュの多さではかなう相手ではありません。リサーチでは、DさんはこのCさんの土地は使い辛く買うわけないと判断してましたがなにかが大金持ちの心をうごかしたんでしょうね。

1800万だして更に買い上げるという選択もありましたが、先方は超お金持ちなので戦っても勝ち目ありません。それどころか、今後はそのDさんがCさんの土地をかって私の隣地の地主様になるので関係性も壊したくないのが本音です。

小規模地主はワタシは涙をのんで契約違約金の100万円を手にしてすごすごと退くしかありませんでした。

反省点

今回で得た教訓
①契約はあくまで契約であって、登記移転が済むまで気を抜くな

②手付解除は売主・買主双方にあたえられた権利だから甘く考えない

③デリケートな土地取得時には情報をもっと大事に扱う

④ブローカー社長が内々に話もってった疑惑あり、ブローカーマジし〇!

色々いい経験になり、勉強できました。よくテレビとかで描かれる地主のイメージって悪いじゃないですか?きっとこうゆう経験を何度としているから、頑固で意地悪になっちゃったのかもしれませんねww

Cさんの土地ありきで建て替えを検討していたので、ダメージは大きいです。しかし既に終わってしまった事です。気を入れ替えて頑張っていきます。

 

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