ハウスメーカーの一括借り上げって大丈夫?親がアパマン経営にのりだそうとしてるんだけど・・・

こんにちはなまず大家です。

今回も不動産ネタです。もしかしたらご両親もしくはおじいちゃんおばあちゃんがハウスメーカーからアパートマンション経営を薦められていて困っているという人もいるかと思って経験からblogを書いてみることにしました。

こんな事が分かります

✅ハウスメーカーとは?

✅素人がアパートマンション経営なんてできるの?

✅サブリースで35年一括借り上げってきいてるけど・・・

✅親になんてアドバイスしたらいいのか?

よかったら読んでみてくださいね。

そもそも「ハウスメーカー」とは?

ハウスメーカーとは

ハウスメーカーというのは厳密な定義はないらしいのですが、要は注文住宅やアパート・マンションなどを建築し販売する事を生業としている業者です。今回おはなしするのはアパート・マンションを建設して販売しているハウスメーカーについてです。

具体的にいうとヘーベルハウス・ダイワハウス・積水ハウス・大東建託・MDIやパナホーム・東建コーポレーションなどなど上げれば数えきれません。自前で建設できるのですからどこもそれなりの規模をもっています。

ハウスメーカーでも色々な販売のやり方があります。タワーマンションをたてて分譲する方法など。この記事では地主向けに土地活用の名目でアパート・マンションを建てさせる事をクローズアップして書いていきます。

簡単表現すると土地をもっている地主に対して不動産投資を持ちかける会社です。

ハウスメーカーの営業ターゲット

ずばり「地主」です。土地をもっている農家さんや・大規模地主・小規模地主などなど、おおよそ30坪もあれば提案なんて何とでもなります。土地をもってない方にはほぼ営業は行きません。

これは営業方法が地元の不動産仲介の紹介であったり、駐車場の登記簿みて地主リストを作って営業をかけるからです。(一部大〇建託なんかはローラー作戦と称して地域回るところもあるようですが)

ハウスメーカー達の営業文句

ハウスメーカー達はアパートマンションを建てて売るのが生業です。ご自身でサラリーマンやっている方ならわかるとおもいますが、モノが良かろうが悪かろうが営業としては売らなければなりません。そう、建てて売るのが仕事なのです。

営業トーク
①相続税対策になりますよ

②不労所得ほしくないですか?

③社会情勢が不安定ななか年金がわりになりますよ

④難しい経営はまったく不要です、オーナー様は通帳みているだけで大丈夫です

⑤30年一括借り上げしますので、空室の心配しなくて大丈夫ですよ

⑥お子様の世代にアパートという「資産」を残したくないですか?

⑦こんな立派な土地をおもちなのに駐車場にしとくなんてもったいない

⑧保険替わりになりますよ、団信という保険があってご自身がお亡くなりになるとアパート残債がすべて保険でまかなわれご家族に資産をのこせますよ

とこんな感じでせまってきます。前項でも書きましたがターゲットが地主さんになるために年齢層は高めです。60代から70代、ひどいと80代のおじいちゃんおばあちゃんに営業かけます。

スタンスとしては「地主様ははーっ!!m(__)m」って感じでプライドをくすぐっといてから不労所得や将来への不安をあおって営業をかけてきます。

具体的なメーカー名はひかえますが、業者によっては建物見学と称してバスでの小旅行のイベントなどで「あれ?高所得者むけのデイサービスなの?」と見間違えるような営業をかけるところもありますね(笑)

営業文句「一括借り上げ(サブリース」について

営業達からでる営業文句で一番頻出なのが「一括借り上げ(サブリース)」についてです。

オーナーが賃貸物件を営む場合、収益は入居している部屋の分の家賃しか入らないため、空き物件が多かったり家賃滞納が多いと経営がおぼつかなくなってしまう。また、賃借人に対してのトラブルや対応なども行なわなければならず、管理面についても煩わしさがつく。一方、不動産会社も独自に賃貸物件を建てる場合、土地を購入した上で物件を建てなければならないため土地購入や建物建設・資産税などの税金など多額の費用がかかる。そこで、オーナーが不動産会社に土地や建物などを託して管理を行ってもらうとともに、不動産会社から一定の保証金(賃料の80% – 90%程度)を得るという仕組みが出来上がった。つまり、オーナーには後述のようなメリットがあり、不動産会社は土地購入や建物建設などの負担が軽減されるわけである。大手不動産会社のほとんどが、このシステムを導入している。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

難しい事を書いてますが、簡単にいいますとオーナー側の空室リスクを減らして安定した経営ができますよーっと言える代物なんです。各メーカーによりますが、一括借り上げの期間は30年から35年間。営業トークとしては、一括借り上げ際あれば、空室のリスクもメンテナンスもすべてうちで面倒みます!大丈夫です!といった感じですwww

一括借り上げ(サブリース)の問題点

各メーカーの規約が異なるので一概にはいえないのですが、よくある問題点としては下記のとおり

サブリースの問題点
①家賃は固定でなく情勢によりハウスメーカー側が下げられる

②下げた家賃にオーナー側が納得いかなければ解除もできる

③オーナーが経営をメーカー側に丸投げにするために家主としてのスキルや経験が一切身につかない

実は契約書の文言には①の点も②の点も記載されているんです。ですが営業がその点にあまり触れず、収支のシュミレーションも酷いところは35年一切の家賃下落がなしに計算してます(笑)もしくは、家賃はさがりますが5年で数パーセントとかかなり甘く試算します。

日本の法律で家主より借主の方が強く、サブリースする側は借主でありオーナーより強い立場にいます。借主である業者は借地借家法により守られます。しかも借主の立場であるために、宅建業法の適用もうけません。

よくよく考えましょう。一括借り上げ(サブリース)のビジネスもでるは家主から適正家賃より安い金額で家賃を保証し、一方では適正家賃で入居者をいれてその利鞘から利益をえるというのがビジネスモデルです。

ですからずーっと入居者があつまってくれるような好立地では妥当な経営が可能ですが入居者が集まらない状況で赤字をだしてまでオーナーの物件をサブリースする必要がありますでしょうか?

  • 賃料は長期間一定ではないにも関わらず、数十年一定の賃料を保証するかのように勧誘されている場合が多々ある[1]
  • サブリース会社が借地借家法による保護を受ける。
  • 借地借家法の強行法規性により賃料減額請求を排除する契約は無効である。すなわち法的には「家賃35年保証」や「契約10年更新」などの契約をサブリース会社は基本的に守る必要はなくいつでも減額請求を行う事ができる。
  • 訴訟になっているケースでは「家賃35年保証、契約10年更新」であったが建築から数年で家賃減額された事例が存在する。
  • オーナーが賃料減額に応じない場合にサブリース会社から契約解除を迫られる事がある。
  • 借地借家法により家主からサブリース契約を解除することは困難であるが、サブリース会社から契約を解除することは比較的たやすい。
  • 家主側から契約を中途解約すると高額な違約金を請求される場合がある。   出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Wikipediaにも似たような事がかいてあります。

「35年間の安心が保証されるものではない」

この事を肝に銘じてください。制度を全否定するわけではありませんが、多分に買い手を安心させるツールとして使われることが多いです。

勿論使っても良い場合もあります。例えば立地がすばらしく、今後10年20年後も入居付けに強く賃料の下落があまりない場合などです。こんな時にサブリースを使えば、収益という面では自分で行うより当然さがってしまいますが人任せですべてやってくれるので手間はまったくかからなくなります。

両学長のサブリースについて詳しく説明しています(*‘∀‘)

また参考までに本を紹介します。私もおもしろくって3回くらいよみました。

どれくらいの規模のアパート・マンションを薦めてくるのか?

アパマンの規模

さて、業者達薦めてくるアパマン(アパートマンションの事)の規模についてです。簡単です、ずばり「一番効率よく自社に利益がでる提案をしてくる」です。

よくかんがえたらあたり前ですが、それぞれ業者には得意不得意があります。また一番理想的なのは一度建設したことのある図面をコピペでできたら楽ですよね?同じ提案すれば、同じ部材を大量発注でコスト削減もできます。

ですので厳しいい方すると「自分の会社が提案したい提案をしてくる」と考えるくらいで丁度よいです。ワンルームが得意な会社はどんな土地でもワンルームで提案(ワンルームの方が数字上利益がとれるように見える)、高級路線のハウスメーカーは1LDKオンリーの提案で「シングルにもお二人以上にもある程度お金のある層の方をターゲットにしています」とか最もらしい事を言ってきます。

金額については、土地の規模もあるし建築条件色々あるのでなんともいいませんがよく見るハウスメーカーのプランでは、1Kや1LDKのみの3F建て(9部屋~12部屋程度)で木造・軽量鉄骨・重鉄などにもよりますがおおよそ9000万から1憶1000万くらいになるとおもいます。(地域制とかあるので、あくまでざっくりです)

そんなお金ないけどどうするの?

安心してください!銀行が前のめりで貸してくれますww

一般的な不動産投資と違って、地主による自分の土地へのアパート建設は銀行もねがったりかなったりの案件です。なぜなら元々資産家で土地をもっている上、土地の担保もとれる(うまくいければ自宅も担保に・・・ぐひひ)。尚且つ建物は新築なのでローン期間も30年・35年つけられる。

ですから基本的にハウスメーカーと銀行は繋がっていて常に情報交換しております。銀行としても一般不動産投資よりリスクの低い地主案件はやりたくてしょうがないのです。

ですので「うちの両親は現金そんなにないからできるわけない」っとおもっていても、寝技足技の敏腕銀行マンが1億円くらいぽーんとかしてくれるのは困難ではありません。現金で必要となるのは当初の手数料などなど物件価格の数パーセントくらいです。

あとは判子おすだけで夢のアパートオーナーになれます

兎に角ハウスメーカーの営業が売っている単価が高いので至れり尽くせりです(残念な営業マンもいますが・・・)

設計・提案・収支計算・メンテナンスプラン・一括借り上げプラン・銀行融資・着工・建物引き渡し等々なんでもやってくれます。地主様は判子おすだけで話はどんどん進んでいきます。

アパマン経営に乗り出すリスクとは?

どういったリスクがあるのか?

不動産投資というと不労所得というイメージがありますが、いまのご時世なかなかそうもいきません。自分で能動的に動いていかないと乱立するライバルたちにあっという間に負けてしまいます。

1憶前後の投資を実行するわけですから、経営者としての覚悟をもってのぞまねばなりません。判子おすだけで夢の不労所得なんて夢は限られた大地主だけの話です・・・。サブリースがずっと30年35年契約更新され、営業マンが提示したシュミレーションどおりに家賃収入があればいいですけど、下落幅は現実はもっと厳しいです。なぜなら厳しく数字を盛り込むと、営業資料としてはインパクトのないものになってしまうからです。

アパマン経営に乗り出すリスク
①サブリースが解約されるおそれ

②金利上昇のリスク

③サブリース解除後自分で舵をとって経営できるかどうか?

④営業の資産収入見込みより現実の家賃が下落するおそれがある

どうすればリスクを回避できるか?

自分の資産の運用です。能動的に自分で動き出しましょう。アパマン経営はリスクはありますが、それをしっかりとした分析で克服すれば資産形成の一翼を担える頼もしい存在になります。

リスクを回避するために
①自分で能動的にしらべる(営業マンの話は参考程度にする)

②不動産投資について基礎がなかったら勉強する

③自分で不動産仲介を回って、家賃の相場や10年後の状況、間取りの強さなどをヒアリングし、営業の資料と比べ分析する

④ヒアリングの結果のもとに自分で試算して、経営がまわるかどうかを判断する。

⑤最悪サブリースを解除されたとしても自分で回せるような環境を整えておく。

ようは今まで営業マン任せにしていた事を一からご自身でやるしかないのです。「難しいから不動産の専門家にまかせよう」というのもその不動産屋とご自身の関係が利益相反していないかどうかをしっかりと見極めましょう。

一億前後のお金を動かす事業です。自分で調べるのなんか面倒くさいなんていってられませんよね?地主さんの多くはおじいちゃんおばあちゃんなので、現実的にはこのような分析等はご自身でできません。相談された子供や孫の世代がかわりにやってあげるなり、計画の反対をするなりしないと場合によっては将来相続する側のお荷物になる事もありえます。

ノリノリになってる両親やおじいちゃんにどうやってアパマン経営のリスクを教え導くか?

絶対にやってはいけない事

「なーに口車にのせられてんだよこの情報弱者が!!」なんて口がさけてもいってはいけません。いいたい気持ちはわかりますが、ご本人達は相続税対策やら次の世代の為をおもって取り組もうとしているはずです。

ですのでアプローチとしては「こんな酷い提案をしてくる業者がいるのかあ!」と本人でなく、業者の悪口から入りましょう。

またお年寄りの地主さんに多くあるパターンが営業マンが良い話し相手になっており、全幅の信頼をよせている場合です。これは中々やっかいで、投資云々でなく「あの人が信用できるからアパート建てるんだ」状態になっている事を多々あります。

この場合は説得する側と本人の日ごろの信頼関係が試されます。じっくりと時間をかけてコミュニケーションをとってください。

理想的な話の持っていき方

まずはアパマン経営をしたいという意思を尊重してあげた上で、一緒になってリスク分析をやっていく事だと思います。相続税対策など複合的に検討して、投資の効果が薄いと判断すればすぐに動く必要はありません。

ここでは親子関係、おじいちゃんと孫の関係が試されます。疎遠になっていて、コミュニケーションを取っていない場合ハウスメーカーの営業とコミュニケーションが取る事が楽しくて仕方ない状態になっている可能性もあります。ちなみに、うちのおじいちゃんはそうでした(笑)

逆にハウスメーカーでアパマン経営していい場合

ハウスメーカーで建てても良いケース

いままで散々リスクを強調しましたが、勿論ハウスメーカーでアパマン経営をして成功する人もいます。またメリットも沢山あります。

メリット
①手間がかからない、なんでもやってくれる

②知名度の高いハウスメーカーのアパマンを所持していると鼻が高い。シベリアンハスキーを飼ってるイメージ(笑)

③利益の最大化よりは、実績重視で多少割高でも安心したい場合

すべて前提として収支シュミレーションを自分で行って問題ない場合と立地の強さを確認して入居付けに問題がないのがい点がクリアしてです。

ハウスメーカーの立ち位置を考えるとおのずと・・

みなさんの近所をみてもらえれば、四六時中色んな木造アパートができてると思います。果たして需要があるのか??ハウスメーカーからすれば、需要があろうがなかろうが建てて売らなければいりません。

需要があれば「この辺は賃貸需要がすごいんです!」と営業し、需要がなければ「相続税対策になります!」と営業して地主にアパートを建てさせるのが使命なのです。

彼らの仕事を地主の資産を上げる事ではなく、アパートを買ってもらう事です。結果として資産を上げてくれる事になるかもしれませんが、そこはよくよく考えるべきです。

今回は大枠をお話したので、細かい点ははぶいています。時間あればシュミレーションの仕方なのど記事も書いていきたいと思います。長い間お付き合いありがとうございました!

 

 

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